賃貸物件の仲介手数料とは?家賃1ヵ月分は違法?上限と相場の分かりやすい解説

賃貸物件を契約するときに仲介手数料が発生することがありますよね。

物件によっては家賃の0.5ヵ月や1ヵ月分、または無料の場合もあったりしてどれが正解?ぼったくられているのでは?と少し不安になることがあるかもしれません。

今回は

  • 賃貸物件の仲介手数料の内容を知りたい
  • 上限があるのか
  • 相場はいくらくらい?値引き交渉可能?

とお考えの方向けに宅建士の筆者が分かりやすく解説していきます。

初めてマンション・アパートを借りられる方のご参考になれば嬉しいです。

きゃちネコ

不動産売買の手数料については下の記事で解説しているよ🐡

不動産売買の仲介手数料はいくら?自動計算フォームで費用を簡単シミュレーションできます

賃貸物件の仲介手数料とは

不動産仲介業者を介して賃貸物件を借りる場合、仲介手数料が発生するケースがあります。

これは仲介業者が依頼人(貸主と借主)のために仕事を行ったためその報酬として請求されます。

国交省の報酬に関する告示と宅建業法第46条によって定められているため、金額の上限以内であれば宅建業者は報酬を受けることができます。

そのため仲介業者でマンション、アパート等の賃貸借契約を締結した際には初期費用に仲介手数料が含まれることは通常のパターンと考えられます。

家賃1ヵ月分は違法?仲介手数料の上限額

結論としては家賃1ヵ月分(税込で1.1ヶ月分)は違法ではありません。

仲介手数料には上限が定められているためそれを超えない金額であれば請求されます。

しかし原則があるため、規定の内訳を知っておくことで余計に支払わなくても良いケースもあります。

下記一覧を把握しておきましょう。

媒介代理
賃料

A. アパート・マンション等居住用建物

原則:借主・貸主双方から0.5ヵ月ずつ

例外:あらかじめ依頼人の承諾済みで0.5を超えることが可

B. 店舗・宅地等居住用建物以外

借主・貸主双方を合計して1ヵ月以内

建物の利用目的に関わらない

原則:依頼者から1ヵ月分

例外:取引相手側からも請求する場合は双方を合計して1ヵ月以内

限度額合計で賃料の1ヵ月以内同左

アパートマンションを借りる場合、仲介業者と契約を締結することが多いので上記でいくと媒介のAパターンになります。

原則として業者は借主と貸主から賃料の0.5ヵ月分ずつ受領することができますが、あらかじめ依頼人(ここでは借主とする)の承諾があれば限度額内であれば0.5ヵ月を超える請求が可能となります。

つまり賃貸借契約の際に仲介手数料1ヵ月分(税込で1.1ヵ月分)で承諾し締結すると借主は支払う義務が発生します。

逆を返すと業者が貸主側から仲介手数料を1ヶ月分を受け取る場合には、借主側への請求はないため支払いが発生しません。

これは物件ごとの契約内容やタイミングにより条件が異なるので、物件探しの際には費用の内訳をよく確認しておきましょう。

万が一1ヵ月分を超えていたり、手数料に仲介以外の手数料が加算されていたりしたらぼったくりの可能性があります。

宅建業法として違法となる内容のため、上限を超えた部分は支払い義務がありません。契約を交わす前に速やかに業者へ指摘しましょう。

仲介手数料の相場はいくら?値引き交渉できる?

相場はいくら?

賃貸不動産の物件情報を調べてみると賃料の0.5ヵ月~1ヵ月分までの仲介手数料が多いです。

上述してきた通り、業者にとって仲介手数料とは報酬であって会社の売上となります。限度額内であれば違法ではありませんし借主は支払わなければならないものです。

金額に違いがあるのは、例えば貸主である大家さん側へ0.5ヵ月分を請求している場合、残りの0.5ヵ月分を借主が支払うという内訳になっていると言えます。

手数料ゼロ円の物件もしばしば見られますが、あれは不動産管理会社が所有者からマスターリース契約し、サブリース(いわゆる又貸し)の自社物件として募集しているケースがあります。もしくは大家さん側が手数料を全て負担してくれているケースも考えられます。

後者は“契約がなかなか決まらない”など何かしらの理由がある場合が考えられます。そのため手数料ゼロ円物件は類似物件と比較して劣るポイントがないか、少し注意しておく方が良いかもしれません。

仲介手数料の値引き交渉はできる?

そうは言っても借主側からしたらやはり安い費用で契約したいもの。値引き交渉ができるものなのか気になるところです。

しかし業者の仲介業務に対する成功報酬・対価であるため、一般的には定められている金額から値引き交渉はハードルが高いと考えます。

その代わり、敷金・礼金の方での値引き交渉の余地はあると思います。物件のスペックや契約するタイミング、シーズンなどで交渉材料となるケースがあります。それ以外にフリーレントのサービスを提供している物件もありますよね。

手数料の金額だけにフォーカスするのではなく、トータル金額でお得かどうか判断する方がベターです。

まとめ

賃貸物件の仲介手数料に関するまとめです。

  • 仲介手数料(業者の報酬額)は国交省の告示と宅建業法46条で定められている
  • 居住用建物の場合、仲介手数料は原則家賃の0.5ヵ月(税込0.55ヵ月)
  • 限度額はあらかじめの承諾で家賃の1ヵ月(税込1.1ヵ月)これを超えてはならない
  • 相場は0.5ヵ月~1ヵ月が多い

限度額が法律で定められているため超える請求はレアケースだとは思いますが、万が一上限を超えていたら業者へ指摘しましょう。

双方が納得のいく形での契約締結が望ましいですよね。良い新生活を!

See yo soon!!🐈