ダウ理論?エリオット波動?フィボナッチ数?【初心者向け!テクニカル分析のやさしい解説】

投資やFXでチャートを見るとき、値動きだけではなく現在の状況が判断できればより有益な情報を得られますよね。

今回は、

  • 投資初心者でテクニカル手法を知りたい
  • 基本的なテクニカルの分析方法とは?
  • 実践的な見方・考え方とは?

とお考えの方向けにテクニカル分析の基本的な考え方「ダウ理論・エリオット波動(ウェーブ)・フィボナッチ数」の3点について解説していきます。

基本となるこれら3つの考え方を押さえることで相場のトレンドを把握でき、より的確なトレードを行える可能性がグッと高くなります。

初心者の方のご参考になれば嬉しいです。

テクニカル分析とは?ファンダメンタルズとの比較

金融商品には株や為替、先物取引などあらゆるものがあります。

更に最近ではビットコインを始めとした暗号資産(仮想通貨)の市場も大いに盛り上がりを見せています。

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取引を行う上で利益を得ることが目的となりますが、それを効率よく果たすには市場の動向を予測する能力が必須。
安いときに買い、高いときに売る

この値幅を狙って利益を得ていくわけですが、より大きい値幅を予測できたら嬉しいですよね?

その手法として主に“テクニカル分析”“ファンダメンタルズ分析”といったものがあります。

“ファンダメンタルズ分析”とは経常収支、経済成長率、インフレ率などの経済における基礎的要因を分析して相場を予測するもの。ざっくり言うと、経済指標や動向を見て予測するということですね。市場は人の心理が大きく働いていると考えられます。

Check!
例えば、○○の企業が●●社を買収するため株式公開買付を行う、といった情報が出た時、投資家は“これはポジティブなニュースだから株価が上がるかもしれない”と考え「買い」が強くなり結果的に株価が爆上げするといった現象が起きることがあります。(もしこれがネガティブ要素だったら下落も考えられる)これもファンダメンタルズと言えます。

では“テクニカル分析”とは?

テクニカル分析とは、ファンダメンタルズを一切無視して、今までの相場データを基にして予測していく手法のこと。相場のトレンド(流れ)、加熱度を読み取るといった感じです。データを見るためにはチャートの読み解きを軸に、オシレーターを理解する必要がありますが、日本では主に“ローソク足”チャートで追いかけながら動向を見ることが多いです。

きゃちネコ

ローソク足についての基本は下記の記事を見てにゃ🐡

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ファンダメンタルズは無視と上述しましたが、そもそもチャートは心理から形成されていると言われるほど。

逆を返せばチャートにはファンダが盛り込まれているので、テクニカル分析によって市場心理を読み解くこともできる、といったことも考えられますよね。

その“テクニカル分析”を知る上で欠かせないのが、ダウ理論・エリオット波動(ウェーブ)・フィボナッチ数です。具体的にどのようなものなのか、順番に見ていきましょう。

ダウ理論とは?

概要

ダウ理論とは、19世紀後半に活躍した経済ジャーナリスト、チャールズ・ダウ氏がアメリカにて初めてチャート分析理論を構築・提唱したものとして知られています。

ダウ理論の基本構成は下記のように伝えられています。

・平均はすべての事象を織り込む

・トレンドには3種類ある

・主要トレンドは3段階からなる

・平均は相互に確認されなければならない

・トレンドは出来高でも確認されなければならない

・トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する

引用元:Wikipedia

ダウ理論の実践的な考え方

では、実践的な考え方をイラストを見ながらチェックしていきます。下図をご覧下さい。

先ず、相場にはトレンド(流れ)が必ずあります。

  1. 上昇トレンド:高値、安値共に直近の高値・安値を切り上げている⇒買いが強い
  2. 下降トレンド:高値・安値共に直近の高値・安値を切り下げている⇒売りが強い
  3. レンジ相場:一定の値幅を往復し、高値・安値共に更新されない状況⇒売買が揉み合っている

相場は値動きによってトレンドを繰り返し、チャートによってその流れが表されています。

これを理解すると、どのポイントで売買すべきかベストタイミングを狙えるようになります。実際にチャートを見てみましょう。

左側から上昇トレンドが始まり、センター付近を境に下降トレンドが始まっています。

上昇トレンドを見てみると、高値(緑◯)安値(赤◯)が徐々に切り上げているのが分かります。

反対に下降トレンドは高値(赤◯)安値(緑◯)切り下げられていますね。

更に、上昇トレンド時に安値が直近の高値を下抜けしなければ、買いのサポートがより強いと予測できるので、これは強い買いのタイミングと考えられます。

(下降トレンド時は逆の考え方⇒高値が直近の安値を上抜けしない)

これらを考えると、チャート図の矢印部分(トレンドとは逆方向へ一度押された)でエントリーすると損小利大が望めます。このポイントを【押し目】と言います。

押し目でのエントリーは超基本となります。しかし、トレンドが明確に判断できていない場合はそのまま下落、もしくは上昇してしまう恐れがあるのでエントリー自体避けるべきだと考えられます。

トレンドが確認できたら押し目を狙いエントリーし、そのまま流れに乗っかるという手法がベストですね。

こんなイメージ

そして、トレンドは急に転換するものではなくほぼ必ず揉み合います。

これは意識される相場ポイントでポジションを利確(手仕舞いして利益を得る)する者、そこからまだ買いたい者、この両者が存在しヨコヨコ状態になっているのです。

これによりレンジ相場が形成されますが、売買の強さがどちらかに傾いた時にレンジが終息し、次のトレンドが始まります。



エリオット波動(ウェーブ)とは?

概要

エリオット波動(以下EW)とは、相場には上昇・下降する波動が8つ存在するという考え方でアメリカの株式アナリスト、ラルフ・ネルソン・エリオット氏が提唱し、1960年代から投資家から注目されるようになったと言われています。

詳しくはこちらを参照して下さい。>>>エリオット波動

EWは、相場のサイクルやリズムの規則性を知ることができるテクニカル手法

EWの実践的な考え方

具体的な手法をイラストで見ていきましょう。

上図のように上昇・下降にそれぞれの波があり合計8波動になります。

  • 上昇波:上⇒下⇒上⇒下⇒上の5波(①~⑤)
  • 下降波:下⇒上⇒下の3波(A~C)

動いて調整、動いて調整、といったリズムですね。

もちろんライン中には細かい上下はありますが、大きく見るとこのようなサイクルで変動するという考え方。

また、定義はいくつかありますが、基本として下記のようなものがあります。

  • 上昇③波は①波よりも長くなる
  • 上昇②波が①波の安値を下抜けすることはない
  • 上昇④波が①波の高値を下抜けすることはない
  • 下降波は上昇波よりも調整が少なく急速に落ちる

きゃちネコ

これらは100%現れるわけじゃないけど、予測値の目安に役立つと思うよ~!

フィボナッチ数とは?

概要

黄金比と呼ばれるフィボナッチ数。これは13世紀にイタリアの数学者、レオナルド・フィボナッチ氏が発見した数列です。

詳しくはこちらを参照して下さい。>>>フィボナッチ数

一体どんな数列なのか?次の0から始まる数列をご覧下さい。

0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55…

よく見ると、隣の数字との和が次の数字になっていますよね?

0+1=1、1+1=2、2+3=5…

これがフィボナッチ数です。面白い法則ですよね!そして、この前後の数字の比率は次のように0.618に近づいていきます。

1/1=1.0、1/2=0.5、2/3=0.67、3/5=0.6、5/8=0.625…

また、一つ飛ばした数字との比率を見ていくと、次のように0.382に近づいていきます。

2/5=0.4、3/8=0.375、5/13=0.382…

といった感じです。

1対0.618は黄金比と呼ばれ、この世の中の自然界において最も美しく、バランスのとれた比率とされています。この黄金比は実は僕たちの身近な自然界に存在しています。例えば、

  • ピラミッドや金閣寺などの歴史的建造物
  • レオナルド・ダヴィンチなどの美術作品
  • 植物の葉や花弁の付き方
  • 巻貝の螺旋 etc..

国旗や名刺サイズなどの多くもこの比率となっています。

そして、この0.6180.382という数字が様々な相場で意識されているのです。



フィボナッチ数の実践的な考え方

では、イラストを見ながら相場チャートでの考え方を見ていきましょう。

このように、フィボナッチ数の比率はトレンドの調整値や最高値の予測に使うことができます。

上昇地点Bから調整がありそうな場合、安値Cが目安として予測できます。

その後、更に上昇が見込まれる時、最終地点として高値Dが予測できます。

これは市場内でよく意識されているポイントなので、覚えておくと役立つと思います。

参考までに例題を解いてみましょう。下図をご覧下さい。

フィボナッチを使ってC点とD点がいくらになるか考えてみます。

Check!
【C点】

=11,000-(1,000×0.382)

=10,618
【D点】

=(1,000×1.618)+10,618

=12,236

簡単ですよね?特に覚えておくべき点は、調整は上昇値×0.382押され、その地点から上昇値×1.618伸びるであろうと予測できるということです。

これは上述したEWと同時によく考えられています。一緒に考えることで、トレンドの現在地の把握と値動きの予測がより精度の高いものになります。

まとめ

これらの知識はテクニカル分析の基本ですが、更なる基本として下記記事でもベーシックなテクニカル手法をご紹介していますので合わせて理解されることをおすすめします。

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尚、トレードは値ごろ感からやみくもに行うものではありません。せっかく投資するなら予測して効率良く稼ぐべきだと考えています。

そのためにも事前にチャート分析を徹底的に行い、予測し、ここだ!と思ったポイントが来るまで待つべき

また、予測以上に大事なのが損切りするポイントを明確にし、必ず実行することです。これが損小利大に一番重要。

テクニカル理論は全て一部の予測法に過ぎないため、外れた値動きは当たり前。マイルールに則って、無理のないポジションを持つことが大事です。

See you soon!!🐈