円安ドル高、円高ドル安ってよく耳にするけどどういった状態なのかハッキリと分からない…
そもそも為替って何?
今回は為替について初心者の方向けに、外国為替の基本を簡単なイラスト付きでシンプルに分かりやすく解説していきます。
- 為替、外国為替とは何のこと?
- 円安・円高はどういう意味?
- 円安・円高ではどっちがお得?
といった疑問をお持ちの方へご参考になれば嬉しいです。
為替の仕組みを理解することで経済の動きや社会情勢を読み解くことができます。身近な生活に密接に関わっているので知っていて損はしません。
きゃちネコ
目次
為替の基本的な仕組みとは?
為替とは?
為替と聞くと“円安”とか“ドル高”という単語をイメージしませんか?
そもそも為替とはざっくり言うと決済手段の一種で、その起源は江戸時代にまで遡ります。
電通手段がない時代、遠方との取引でモノを購入した際に販売者側へ直接金銭を送るのは紛失や盗難のリスクがありました。
そこで購入者は両替所へ行って現金を支払い、支払証書を発行してもらいそれを販売者へ渡します。
支払証書を受け取った販売者は指定の両替所に行き証書と金銭を交換します。
これにより、金銭を直接移動することなく売買取引が可能になりました。
これが為替の仕組みです。現代の小切手や手形と同じような仕組みですね。
- 取引発生
- 購入者は最寄の両替所へ現金支払い
- 現金と引き換えに支払証書を入手
- 支払証書を販売者へ送付
- 販売者は最寄の両替所へ支払証書を持ち込む
- 証書と引き換えに現金を受け取る
現在ではITが発達して、ネットバンクやクレジットカード、電子決済アプリなど多種多様な決済方法が増えました。
これらは為替が進化したものだと考えられます。
外国為替とは?
為替の基本的な仕組みが分かったところで次は「外国為替」について解説します。
例えば外国からモノを購入したとします。お金を支払う際に現金を相手に直接渡すことができません。
理由は、遠方であること・通貨が異なるから。そのため通貨を交換して販売者側へ送金してもらう必要があります。
そこで銀行間の決済システムで間接的に決済してもらいます。
各国の通貨を交換する必要があるため第三の銀行が中継ぎに入り決済を行います。
この異なる通貨の2国間の取引(交換)することが外国為替です。
双方で通貨が異なるので決済時に通貨を円⇔米ドルのように交換する必要がありますが、この時の交換レート(比率)によってそれぞれの通貨の金額が決まってきます。
このレートこそ外国為替相場であり、円安・円高という言葉と関係しています。為替レートは日々変動していてニュースでも為替チャートを見かける方もいると思います。
世界の様々な通貨が存在するため米ドル以外にもユーロや英ポンド、スイスフランなど各国の通貨を為替レートで確認することができます。
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ちなみに外国為替を英語で言うと「Foregin Exchange」。「FX取引」のFXとはこの略なんですね。
外国為替をイラストで簡単に分かりやすく解説
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1ドルのモノを輸入した場合
①4/1にアメリカから1丁=1ドルのマグロを購入。この時のドル円相場は1ドル=100円だったため100円で購入できたことになります。
②4/8にまたマグロ1丁を購入。この時のドル円相場は1ドル=110円に上がっていたので110円で購入したことになります。
③4/15にまたマグロ1丁を購入。この時のドル円相場は1ドル=90円に下がっていたので90円で購入したことになります。
- ②で10円高くなった。1ドルのモノを100円⇒110円出さないと買えなくなった。つまり円の価値が下がってドルの価値が上がった。⇒円安(ドル高)
- ③は10円安くなった。1ドルのモノを100円⇒90円で買えるようになった。つまり円の価値が上がってドルの価値が下がった。⇒円高(ドル安)
このように基準とする金額に対しての上下変動によって、円高・円安を意味することになります。輸入の場合は円高の方がお得に購入できますね。
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1ドルのモノを輸出した場合
輸入時では円高にメリットがあることが分かりました。では輸出品ではどうなるのか?
①4/1にアメリカへ1個100円のオレンジを販売。この時のドル円相場は1ドル=100円だったため100円で販売できたことになります。
②4/8にオレンジ1個を販売。この時のドル円相場は1ドル=110円に上がっていたので110円で販売したことになります。
③4/15にオレンジ1個を販売。この時のドル円相場は1ドル=90円に下がっていたので90円で販売したことになります。
- ②で10円高くなった。1ドル=100円だったものが110円で売れた。ドル円レートで考えると円の価値が下がってドルの価値が上がった。⇒円安(ドル高)
- ③は10円安くなった。1ドル=100円だったものが90円で売れた。ドル円レートで考えると円の価値が上がってドルの価値が下がった。⇒円高(ドル安)
輸出のケースを見ると円安の時には高値で、円高の時には安値で売られていることになります。輸出の場合は円安の方がお得に販売できていることが分かりますよね。
このように輸入or輸出なのかによって円高・円安から受ける影響が変わるため、ケースバイケースでメリット・デメリットがあると考えられます。特に貿易が盛んな日本では物価の変動や企業の利益などに密接に関係しています。
どうなると円高・円安になるの?
円高・円安になる要因は様々ですが、分かりやすく2つの大きな要因があります。
- 輸出入による売買の動向
- その国へのお金の貸し借りや投資
例えば日本からの輸出商品が増えると、外国人がそれを買おうとして円に交換しようと円の需要が高まっていきます。
また日本株の上昇や高金利が発生している場合、外国からは日本の金融商品が魅力的に映り日本への投資が進む=円の需要が拡大します。このような場合に円高が進みやすいと考えられます。
反対に急激に輸入品が増えたり、日本より海外への投資が拡大していった場合は円が売られやすく円の需要が低くなります。この場合には円安が発生しやすくなることがあります。
変動の要因はこれら以外ににも複雑な要素が絡んでいるので、ざっくり“円の需要バランスによって変動する”と考えると分かりやすいと思います。
海外旅行やショッピングは円高・円安どっちがお得?
海外旅行に行くときは円安と円高どっちがお得なの?と気になりますよね。
これはズバリ、円高のタイミングです。
簡単な例で、アメリカに到着して10万円を米ドルに両替したとします。
1ドル=100円だと1,000ドルをもらえます。しかし、1ドル=90円のレートだと約1,111ドルももらえます。
111ドル得していますね。ドルを日本円で安く買えたことになりました!海外での支払いや越境ECを利用したショッピングなども同様です。
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まとめ
外国為替の基本についてまとめました。
- 為替とはお金に代わる決済手段の一種。
- 外国為替とは異なる通貨の2国間取引。
- 円の価値が上がる⇒円高。
- 円の価値が下がる⇒円安。
- 円の需要バランスによって変動する。
- 海外旅行・ショッピングは円高の時にするべき!
上述の例は分かりやすく通貨の比較しかしていませんが、取引の発生時は決済のタイミングや税金、手数料などにより実際の金額が異なります。
為替について難しいイメージを持たれていた方も基本的な仕組みを理解できれば、経済ニュースで聞くワードや経済動向を深掘りできるはずです。
日常的な買い物や海外旅行、投資などにも活かせるので身近な生活を少しでも有益にさせましょう。
See you soon!!🐈